石油製品，4月値上げ待ったなし

摘要

3月は国内外ともに，稀にみるコストアップの月となった。 すなわち，原油市況は，OPECの減産決定や米国のガソリン低在庫などを背景に，NY·WTI原油が38ドル／バーレル台と13年ぶりの高値をつければ，国内業転市況は元売の減産，市中買いと一部装置の不具合，東電原発停止の影響等で，ガソリンを筆頭に月初から上昇。 断続的に訪れた寒波で，在庫減が加速した灯油も3月になってシーズン最高値をつけ，高止まりする異例の事態となっている。 　 これらを受けた4月の元売仕切は，SS向け月次改定も産燃油向け業転連動も大幅引き上げの方向が固まり，系列特約店は末端値上げの準備に入った。折しもSS業界では4月1日からの消費税総額表示も始まり，本体値上げのタイミングは微妙な調整を強いられそう。 産業用中間留分も，これまでの未達分に4月の仕切上げが加わり，採算の一段悪化が懸念されている。原油高も業転高も販売業者にとっては不可抗力の世界。 廉売勢力や入札安値に惑わされず，必要な値上げはできるだけ早期にメドをつけてしまいたい。