エネルギー総体に占めるLPガスの位置を明確にした「LPガス国際セミナー2009」（2）

摘要

抄録「LPガス国際セミナー」（2）では，産ガス国である中東3カ国と日本LPガス協会のプレゼンテーションを紹介する。 産ガス国のLPガス増産プロジェクトによりLPガスの供給量が飛躍的に増大することは，既に2006年のこのセミナーで明らかにされていたところで，2010年にはカタールとアブダビの両国がサウジアラビアに続くLPガス800～1,000万トン供給国となるとされていた。 しかし，例えば中東の石油化学の各種プラント大増·新設にしてもそうだが，こうしたプロジェクトは往々にして大幅な遅延を伴う。 石化では中東のエチレンその他のプラント新設によって，極めて廉価な石化製品が国際市場に出回り，欧米や日本の石化産業がその見直しを迫られることを「2008年問題」と呼hでいた。 しかし，これは現在では「2010年問題」といわれるようになっている。 特に，原燃料価格が乱高下したり，各種産業事情が変化したり，あるいは現在がそうであるように金融危機に襲われたりした場合，投資資金が大幅にショートしてしまうことがネックとなってプロジェクトの進展そのものが遅れてしまう。 とりわけ，中東の新規LPガス増塵プロジェクトはLNG生産に随伴するものだけに，LNGの需給·価格情勢の変化がLPガスプロジェクトの進捗状況にも大きく影響してくる。 「中東のLPガス供給1,000万トン／年国が3カ国誕生し，LPガスの世界的需給が大幅に緩和されるといわれてきたが，それは本当なのか？ 」，「この世界的不況と金融危機の下でも大丈夫なのか！ ？ 」とは誰もが感じている不安でもあった。 これは何としても当該産ガス国に直接聴いてみなければならないことである。