レーザによる樹脂と金属の接合技術

摘要

自動車にとって軽量化は重要な課題である。軽量化の手法としては材料を軽量材に置き換えることが最も効果的である。マルチマテリアル化と言われるように自動車に使用される材料として様々な軽量材が複合的に使用される様になっている。これまでの主要構成材料である鋼材の比率は年々減少しており，2010年での鋼材の比率は70％であり，2020年にはさらに65％にまで減少するものと予測されている。それにかわる軽量材として，アルミを主とする非鉄金属の比率が約10％，樹脂材料の比率が約15％と樹脂材料への置換も積極的に進められており，バックドア等の大型の部品への樹脂材料の適用も進hでいる。また，鋼材に比べて比強度，比剛性ともに圧倒的に高く，軽量化のための材料としては最も優れているCFRP（炭素繊維強化プラスチック），CFRTP（炭素繊維強化熱可塑性プラスチック）の適用も超高級車から高級車ではあるが量販車への適用が拡大しつつある。これらの樹脂材料の適用には樹脂材料どうし，そして樹脂材料と金属材料を接合する接合技術の適用が不可欠である。これらの接合技術としては，これまでは接着，接着とリベット等の機械的結合の併用が用いられてきた。樹脂材料の接合をさらに拡大していくためには生産性が高く量産ラインに適用可能な接合技術の開発が必須とされており，種々の接合技術の開発が進められている。レーザを使用した接合を中心に，これらの接合技術について紹介する。