講座開設にあたつて

摘要

1900年代後半、空気調和施設やクリーンルームが急速に普及し、GMP、GLP、PL法の施行や、HACCPシステムを導入した食品の衛生管理等が行われ、医療施設では病院内感染や手術後感染などの防止策が検討され、また、シックビル·シックハウス問題が取りざたされた。 2000年代にはWHOが清浄な空気を受けることは基本的人権とした「健康的な室内空気への権利の原則」を宣言し、また、重症急性呼吸器症候群（SARS）の流行、ノロウィルスの室内感染、室内微生物によるアレルギーの発生、新型ィンフルエンザウィルス感染、バィオテロへの対応の必要性などから、近年、室内空気中あるいは床·壁·作業台等に付着した細菌や真菌、ウィルスなどの、いわゆる環境微生物に関心が高まった。