炭化タングステンの調製方法と燃料電池用電極触媒への利用

摘要

固体高分子燃料電池（PEFC）の電極触媒として用いられる白金金属を代替する可能性のある炭化タングステンを種々の方法により調製し、高活性化を試みた。 酸化タングステン（WO_3）から炭化反応で得られる3種の炭化タングステン、α-WC（simple hexagonal）、β-WC_(1-x)（fcc）及びβ-W_2C（hcp）、の中ではα-WCの電気化学的活性が最も高かった。また、WO_3を硫化タングステン（WS_2）あるいは窒化タングステン（W_2N）に一度変換した後に、炭化反応で得られたα-WCは、WO_3から直接得られたものと較べて高い電気化学活性を与えた。WS_2或いはW_2Nを経由することによりα-WCの表面積等が大きく異なることが高活性発現に関連するものと考察される。