RC構造物の検査のための非破壊検査方法(2)：2.非破壊·局部破壊試験によるコンクリート構造物の品質検査に関する共同研究－小径コア その2 小径コアによる実構造物のコンクリート強度推定方法の検討

摘要

著者らは、直径25mm程度の小径コアを用いてコンクリート構造物の強度推定が可能なことを報告している。ここでは、模擬試験体や実構造物を対象にコア採取および強度試験を実施し、小径コア法による強度推定精度や、実構造物におけるコア採取位置と強度の関係、コア採取後の養生方法と強度の関係などを検討した。 この検討結果を踏まえ、小径コア法による構造体コンクリート強度の具体的な試験·検査方法案を提案した。小径コアによるコンクリート強度推定法（以下、小径コア法と称す）は、直径25mm 程度の小径コアの圧縮強度値を、あらかじめ定めた補正式でΦ100mmコア強度に換算して構造体コンクリート強度を推定する技術である。 この技術は、採取するコア径が小さく構造物の損傷を極力軽微に留めることが出来るうえ、コアを用いる直接法であるため精度についても高い信頼性が期待できる強度推定方法である。 本報では、模擬試験体や実構造物を対象にコア採取および強度試験を実施し、小径コア法で実構造物のコンクリート強度を推定する際のコア採取本数、コア採取位置、コア採取時期および試験材齢など、具体的な試験·検査方法について検討した結果を述べる。