高圧マイクロ混合器を用いた二酸化炭素塗装技術の開発

摘要

有機溶剤系塗料によるスプレー塗装において大量に使用される希釈溶剤（VOC）を極少量の二酸化炭素に替えることにより、有機溶剤系塗装と同等の、塗装仕上げ品質を確保したまま、VOC発生を大幅に低減させる塗装法（二酸化炭素塗装）の開発を行った。本塗装装置の基本フローは塗料高圧ポンプ、二酸化炭素高圧ポンプ、冷却器、加熱器、混合器、及び噴霧ガンより構成され、重要な技術課題である塗料と二酸化炭素との効率的な混合には中心、衝突型高圧マイクロ混合器を開発し採用した。また安定的な噴霧を実現する噴霧ガンには高圧霧化用の単一噴孔ノズルを用いた。塗料への二酸化炭素の溶解性の評価や相状態の観察等基礎的なデータを収集した後、紫外線硬化型塗料（希釈溶剤なし）の塗装実験を実施した。その結果、塗料と同量の希釈溶剤を加えて行う有機溶剤系エアスプレー塗装と同等の塗膜品質であり、実用レベルの塗膜であると評価された。