凍結防止剤によるコンクリートヘの塩化物浸透性状とスケーリング劣化に関する一検討

摘要

本研究は、凍結防止剤として塩化ナトリウム（NaCl）水溶液を用い、コンクリートの配合条件、および塩化ナトリウム水溶液濃度がコンクリートのスケーリング劣化と塩化物イオンの浸透性状に及ぼす影響に関する実験的な検討を行った。 本実験では、毛管浸透法による凍結融解試験を行い、スケーリング量の測定とコンクリート表層部の簡易試験、細孔分布の測定を行った。 その結果、スケーリングと塩化物イオン浸透は、毛細管空隙レベルの細孔構造や塩化ナトリウム水溶液濃度の影響を受けることが分かった。 また、スケーリングおよび表層部の塩化物イオンの蓄積の違いは、コンクリート表層部における吸水性やポロシティ一によって変化することを示した。