高性能車向けアルミニウムシリンダブロックの開発/ボア溶射および高強度化対応技術

摘要

新型NISSAN GT－R用のV6エンジン開発においては、パワー·レスポンス·環境性能の3要素を高次元でバランスさせることが求められ、シリンダブロックでは、低圧鋳造工法によるクローズドデッキ構造を踏襲しつつ、溶射シリンダボアに対応する低欠陥技術、高強度熱処理技術の開発を実施した。 溶射シリンダボアにおいては、機能要求よりボア加工面上の鋳巣はΦ0.75mm以下であることが必要とされた。 この要求を満足するため、ボア部金型水冷による金型温度制御を実施した。 ボア全面に均一な冷却が得られるよう、ボア部金型を2重構造としボア内面全面に冷却水が均等に流れる円筒状水路とした（図1）。