自律分散コンピューティングシステムの性能評価法の検討－シミュレーションアプローチ

摘要

本論文では、Grid ComputingやWeb Servicesなどに見られる自律分散コンピューティングシステムのシミュレーションアプローチによる性能評価法について述べる。ITシステムでは、グローバルに分散されたリソースを共有、または、コーディネートすることで、ダイナミックに状況が変化する仮想的な組織(Virtual Organization; VO)を構成し、様々なAPを統合することで、ユーザの利便性を上げるようアダプティブに対応可能になることが要求されつつある。本検討では、クライアント、リソースマネージャ、スケジューリングマネージャ、アプリケーションマネージャから構成される一般的なService-Oriented Architectureを考える。 このアーキテクチャでは、適切なリソースを問い合わせるプロトコルと個々のリソース状況をモニタリングし、リソースマネージャに状況報告するプロトコルが鍵となる。 この2つのプロトコルをOPNET上で実装し、Service-Oriented Architecture上で構成される分散APの作成や実験環境から企業規模に展開する際の事前性能評価を可能とするシミュレーション環境構築について述べる。 これを用いたリソース共有やアダプティブなトラヒック制御に関する事例については、続く発表で紹介する。