LDPC符号を用いた附加情報不要のSLM法におけるスクランブル系列推定の演算量低減に関する検討

摘要

OFDM（Orthogonal Frequency Division Multiplexing）のPAPR（Peak to Average Power Ratio）低減法の一種であるSLM（Selected Mapping）法では，複数のスクランブル系列を用いて信号を位相回転することにより，確率的にPAPRを低減する．そのため，使用したスクランブル系列を附加情報として送信する必要があり，伝送効率が低下する．そこで，受信信号からスクランブル系列を推定することで附加情報を不要とするSLM法が研究されてきた．LDPC（Low Density Parity Check）符号を用いた附加情報不要のSLM法が提案されているが，この方式は複数の復号器を必要とし，回路規模が増大する．回路規模抑制には単一の復号器を用いた逐次処理が有効であるが，この場合は処理時間が増大する．本研究では，スクランブル系列推定の演算量低減による処理時間削減を目的として、Forced Convergence法を用いて非活性化されたチェックノード数を用いる手法を提案する．計算機シミュレーションの結果，提案方式により，スクランブル系列推定の演算量はE_b／N_0＝4［dB］のとき最大で35%低減できることを確認した．