PCDロータリーツルアのエッジを使用した小径CBN砥石のツルーイング 第2報：ツルーイングにより形成される微小切れ刃生成のメカニズム

摘要

本研究は，小径CBN砥石のツルーイングに関して，Polycrystalline Diamond (PCD)ディスクを先端にろう付けしたPCDロータリーツルアのエッジを使用した新ツルーイング工法とダイヤモンドロータリードレッサを使用した従来工法との差異を，PCDロータリーツルアのエッジ（ダイヤモンド砥粒）と，CBN砥粒の接触状態という観点から比較検討した．得られた主な結果は以下の3点である．（1）理論解析では，新工法は従来工法よりツルア（ドレッサ）幅が小さいことと，PCDがダイヤモンド焼結体であるためにツルア（ドレッサ）外周にダイヤモンドが密に並hでいることから，接触状態のバラツキが小さいことを示した．（2）接触状態のモデル化から，ツルアのエッジで砥粒と接触するので，接触状態は単石ドレッサに近く，ツルーイングにより生成された砥粒先端の微小切れ刃が維持されることを示した．（3）モデル化した接触状態に対してツルーイング実験を行い，砥粒のSEM観察および表面形状測定機による測定により，ツルアのエッジが砥粒先端に鋭い微小切れ刃を生成させることを，さらに，研削実験を行い，生成された砥粒先端の微小切れ刃が加工面に転写され，良好な加工面を創成することを研削加工面の観察から明らかにした．