「現場における騒音測定の実務知識」：II.騒音測定の現場知識－航空機騒音の測定

摘要

航空機騒音は空港周辺の広い範囲に影響を及ぼす。 その評価は環境基準でWECPNLによりおこなうと定められており，住宅防音工事などの対策も同様にWECPNLによる評価を基本としている。航空機騒音の測定には自動観測装置などを利用し年間を通じて実施する常時監視と環境基準に基づき実施する短期測定がある。 後者によりWECPNLを評価する場合，対象期間中に測定地点で観測されるすべての航空機騒音を測定しなければならないが，空港によっては早朝から深夜まで航空機が運航し，測定が長時間にわたることが少なくない。 それも，夏季や冬季におこなうことが多いため，騒音測定の実施には常に相当な苦労がっきまとう。ここでは，筆者の実務経験に基づいて短期測定を中心に航空機騒音の測定方法や現場における留意点を述べる。