道路の低騒音化への取り組み

摘要

道路交通騒音は，発生→伝搬→受音という3つの段階を経て，人に伝わる。現在，その低減対策として，自動車単体規制や速度規制，低騒音舗装や遮音壁等の道路における対策，建物の防音化や沿道土地利用転換等，各段階において，種々広範な対策が実施されている。 なお，全体としての騒音低減効果がより実りあるものとなるよう，これらの対策が有機的な連携の下に実施されていることば，今更申すまでもない（図－1）。 道路における対策は，道路種別や構造，交通特性沿道土地利用状況等に相応し，より有効なもの，より適切なものがある。 道路管理者は，自ら管理する道路の騒音環境を最善のものとすべく，具体の対策を実施するとともに，新たな技術の研究を推進している。 本稿では，国土交通省国土技術政策総合研究所（国総研）が研究を実施している技術に的を絞って，騒音低減メカニズムや騒音低減効果，課題等について，解説する。