振動感覚に及ぼす音の影響に関する研究

摘要

乗り物や産業·建設機械などのオペレータは機械的振動を受け，振動の強さや快·不快といった印象をもつ。振動と音が同時に存在する環境は多いが，ISO2631に規定されている人体の全身振動暴露基準においても振動に音が複合された場合については言及していない。また，音を考慮した振動環境の人体影響の評価に関する研究例は少なく，音のどのような要素が振動感覚に影響があるかなど解明されていない部分が多い。本研究では，音刺激による自律神経制御が振動感覚に与える影響を明らかにすることを目的として，人体に振動及び音を暴露し，振動と音が同時に存在する環境での人体影響（振動の感覚的な強さ，振動の快·不快感）を質問紙調査による心理反応測定を行い実験的に検討した。