「地中における放射性核種移行のケーススタディー」ワークショップ報告

摘要

標記のワークショップが2004年5月5～7日にマイリングン（スイス）で開催された。 これを主催したのはスイスのURL (Grimsel)を舞台に廃棄物処分の研究·教育を国際的に推進しているITC (International Technical Center) である。 主催者の1人であるNeil Chapman氏は，わが国の原子力発電環境整備機構(NUMO)において，検討が進められている地下処分場建設の国際技術検討委員会の委員長でもある。 参加者は40名足らずの少人数であったが，移行のケーススタディーということで，放射性廃棄物処分にかかわらず，わが国の重金属を含めた環境問題としても得難いフィールドでの研究発表が想定されたので参加した。 日本からは大成建設（1名），産業技術研究所（2名）を含む4名の参加であった。 本ワークショップは15件（第1表のプログラム参照）の発表であったが，スイスと東ヨーロッパ間の合同研究プロジェクト（2000～2003年）成果を公表するのが趣旨であり，スイス，ロシア，ウクライナ，ドイツ，ハンガリー，スロバキアのほか，フランス，英国，ベルギーからは各1件の報告があった。ここでは印象に残った数件の発表を中心に，その概要を報告する。