より実効性の高い原子力防災対策の構築に向けて：（2）国と地方自治体における取組みと今後への提言

摘要

東京電力福島第一原子力発電所事故の経験と教訓を踏まえ，国は原子力防災体制の見直しを進めてきた。具体的には，原子力規制委員会の設置，「災害対策基本法」に基づく「防災基本計画」の見直し，「災害対策基本法」の特別法である「原子力災害対策特別措置法」の見直し，「原子力災害対策特別措置法」に基づく「原子力災害対策指針」の制定など，新たな原子力防災対策の枠組みが構築された。またこれらを踏まえ，原子力発電所からおおむね30km圏内の地方自治体は，「地域防災計画（原子力災害対策編）」と「避難計画」の策定を進めている。本稿では，これら国及び地方自治体の取り組みについて，日本原子力学会「2014年春の年会」原子力安全部会セッションで行われた講演の内容について紹介する。