冷媒R245faの水平平滑管内蒸発·凝縮流に関する実験

摘要

本研究では，内径8.32mmの銅製平滑管を用いて，冷媒R245伝の水平平滑管内の蒸発および凝縮流における熱伝達および圧力損失特性に関する実験を行った．蒸発実験は飽和温度30～40°C，凝縮実験は飽和温度40および60°Cの条件下で質量速度50～300kg／（m~2s）の範囲で変化させて実験を行った．飽和温度40°Cにおいて，摩擦圧力損失は蒸発および凝縮流における差異は小さく，質量速度およびクオリティの増加，飽和温度の低下とともに増加した．熱伝達率も同様に質量速度およびクオリティの増加，飽和温度の低下に伴い増加するが，管内の流動様相によって熱伝達特性が大きく異なることを確認した．また，蒸発·凝縮流の摩擦圧力損失および熱伝達率の実験値と従来の予測式との比較を行い，冷媒R245血の蒸発·凝縮流の摩擦圧力損失および蒸発熱伝達率は従来の予測式でよく相関できる．しかし，凝縮熱伝達率は比較したいずれの予測式も強制対流凝縮が支配的な低飽和温度，高質量速度および高クオリティ域では過小に予測する傾向を示した．そのため，気液密度比および流動様相を考慮し，強制対流凝縮項を修正した冷媒R245faに適用できる新たな予測式を提案した．