VMIによる在庫削減の取組み－商慣行と物流効率化の観点から

摘要

VMI (Vendor Management Inventory)は、ベンダー在庫管理方式と呼ばれるもので、既に経営概念として広く知られている通りである。一般的な定義は「サプライチェーン上に存在する供給する側と供給される側の間において、供給側が供給される側の需要予測情報や在庫状況をリアルタイムに把握できる状況下で、供給側が適正な供給量を算出し提供する狭義のロジスティクスであり、また双方の在庫を最も適正な量に制御する（ブルウィップ効果を防止する）管理手法である」とされている。したがって、その理念はお互いがWIN-WINの関係を築くものであり、川上のサプライヤーやベンダーがその下流にある小売店のPOSデータから補充量を計算し、直接店舗や生産ラインの在庫管理を代行することにより、サプライチェーン内全体の在庫の適正化を図り、キャッシュフローの改善およびロジスティクスコスト削減を実現するものである。