割岩工法による小断面トンネル掘削－FONドリル工法による自由面形成で硬岩トンネルを割岩掘削

摘要

昭和40～50年代に建設された高速道路トンネルでは、非常用施設の更新時期にあわせて、現行の非常用施設設置基準に適合するよう、設備配置が見直されている。 この結果、火災等に備えた避難連絡坑を新たに構築する、既設トンネルのリニューアル工事が順次行われている。 新たに設置する避難連絡坑は、トンネルのほぼ中間の位置を、1車線を供用しながら掘削する工事となる。 このため、振動·騒音等を伴う発破を使用できず、機械掘削工法が採用されるが、地山は硬質であることが多く、ブレーカや自由断面掘削機などの単一機械による掘削では不可能であり、機械掘削工法の中でも割岩工法が適用される。 本報で述べる2現場の避難連絡坑は、片側一車線規制の中、掘削断面が約10～20m{sup}2の小断面トンネルを本線にほぼ直角に構築する工事であり、使用機械の大きさが極めて限定された。 これより、機械の大きさを問わず汎用の削岩機に装着して使用できる、単一孔連続穿孔工法（以下、FONドリル工法）を用いることにより自由面を形成し、割岩掘削の施工が可能となった。 ここで、このような小断面トンネルにおける割岩掘削は、これまで施工事例がほとhどないために歩掛かりが明らかではなく、積算の基準が明確化されていなかった。 以上より、本報ではこのような小断面掘削における施工事例を述べ、作業性·経済性等について示す。