シールドトンネル拡幅、分岐·合流工法：楕円形複合シールド工法マルチ·コムスシールドII－地下鉄渡り線区間、道路トンネル分岐合流構築

摘要

楕円形複合シールド工法マルチ·コムスシールドII（以降、本工法という）は、地下鉄などめ渡り線区間を楕円形複合シールドで構築し、一般路線部は円形シールド2基を地中で分離して順次発進させる方式の工法である。 地中でシールドを発進することができることから、立坑を新たに構築する必要がない。 シールド機の構成は、近接して併設した2基の円形のシールド間に「鼓形」のシールドを並列的に連結した3連の楕円形複合シールドで、前胴部は3基の独立した掘削機構およびスキンプレートを有し、後胴部は複合シールドの外形と同形状の開合断面のスキンプレートを持っている。 一般的に地下鉄の駅に隣接する渡り線区間や道路トンネルの分岐·合流部の構築は、開削で行われているが、用地確保や既設埋設物といった制約から開削工事ができない場合、複線断面以上の単円シールドや矩形シールドで構築しており、駅部の掘削工事の深度が大きくなる等工事費が高くなるという問題があった。 本工法を用いることにより、渡り線部から一般路線部への断面変更を楕円複合シールドにより施工でき、もっとも経済的なトンネルの断面形状を提供できる。 本報告は、地下鉄渡り線を例にして本工法の概要を説明するものである。