狭隘地·低空頭下工事での工法と機械：掘削土再利用地中連続壁工法－環境に優しいリサイクル工法の施工例

摘要

近年、建設業においては、建設副産物である掘削残土の発生を抑制する工法が環境保全、残土処理場不足の両面から要求されている。 建設発生土のうちでも、特に泥水掘削に伴う不良土は産業廃棄物のうち「無機質の汚泥」として取り扱われ、都市部ではこの処分地が少なく問題となっている。 また、地下工事の大深度化に伴い山留壁（遮水壁）も40mを超える深度の施工が増加しており、従来の原位置攪拌工法（柱列式連続壁等）で施工した場合、一部壁の不連続による止水不良等の問題が顕在化してきている。 本報文で紹介する「掘削土再利用地中連続壁工法」は、これらの問題を解決できる工法として、近年施工実績が急速に増加している工法である。 今回は、当工法の実績の中で最大深度(56m)の山留壁の施工が完了したので、当工法の特長、施工管理の要点、今後の課題等について報告する。