極低周波磁界がトウモロコシ種子の吸水および初期生長に及ぼす影響（第1報）：トウモロコシ種子の吸水特性

摘要

トウモロコシ種子の初期吸水時にELF磁界と静磁界の合成磁界を曝露し，各設定温度における含水率の増加を調べた。 その結果，全ての浸漬温度において曝露区と対照区間に有意な差はみられなかった。 また，トウモロコシ種子の吸水特性は拡散方程式の厳密解を用いた無限平板モデルによって説明が可能であり，厳密解より求められた値は磁界の曝露の有無に関わらず，実測値とよく一致した。 得られた拡散係数は3.0×10{sup}(-9)－1.1×10{sup}(-8)m{sup}2·S{sup}(-1)であり，Arrhenius型の式に従う温度依存性より，見かけの活性化エネルギは43.4kJ·mol{sup}(-1)と推算された。 拡散係数および見かけの活性化エネルギは曝露区と対照区間に有意な差はなく，磁界の曝露は種子の初期吸水にはほとhど影響を及ぼさないことが推察された。