〈特集：パラレルマニピュレータと油空圧〉：〈総論〉制御応用からみたパラレルリンク

摘要

パラレル機械、PKM（Parallel Kinematic Machine）は近年新しい機械の形として注目を浴び多くの研究開発がなされるにいたった。 本年ドイツ、ケムニッツで開催されたPKS2002（4／23～25）に偶々出席したが参加者（250名）、発表論文の多さにびっくりした。 この会議での主題はPKMの工作機械への応用であり3軸、5軸、6軸にいたるさまざまな機構と応用機械が発表された。 回転と2軸曲げに限定した3軸PKMは精度が10～15μmに達し、その高速性を生かして航空機産業で実際に活用されている。 5軸、6軸になると多くの試みはあるものの高用機としての実績は少なく未だ研究開発のレベルから抜け出したとは言い難い。 工作機械は基本的に電動駆動であり、モータと減速機を一体化した電動シリンダが各メーカより提供されている。 これに対し新しい動きとしてPKMを力のいる塑性加工機に適用しようとする動きがある。例えば、パイプ曲げ、オービタルフォーミングであり、この場合は油圧駆動が主に使用される。本稿ではまずPKMの特徴と種類、PKMの運動学につき説明する。 次にPKMにおける電動と油圧の比較を試みる。