非鉄圧延連続化のための凹凸ツールを用いた両面FSW法の開発

摘要

ボビンFSW方式は板を表裏両面より挟み込む方式であるが、上下ツールは一体化され同方向に回転させるものである。報告によると、接合速度は従来の片面FSW方式と同程度、また、接合が可能な最低板厚は1.8mmである。このボビンFSW方式は、板厚方向全域を撹拌することで、ピード裏面に形成されるKissing bondをなくすことは可能であるが、圧延連続化の操業で不可欠となる接合のタクト時間に係わる高速接合への対応及び剛性の低い薄板への適用が難しい。そこで、圧延の連続化にも適用可能な高信頼の接合技術として、①裏面に発生しやすい未接合部を作らない②連続化で求められる高速接合の特徴を有するFSWの実現を目指し、凹凸ツール対向独立回転型両面同時FSW法を新たに考案した。本稿では、この凹凸ツール対向独立回転型両面同時FSW法の基礎技術検討、圧延連続化の操業で不可欠となる広範囲な板厚への適用性、圧延プロセスへの適用可能性を検討し、実用化の目処を得た研究開発成果を報告する。