長周期地震動による内部浮き蓋式タンクの被害事例と耐震強度検討（続報）

摘要

アルミニウム合金やステンレス製の簡易フロート型内部浮き蓋（図1参照）は、構成部材を別個に側マンホールから搬入してタンク内部で組み立て可能なことから、近年、VOC（揮発性有機化合物）対策として設置される頻度が多くなっている。この内部浮き蓋は、通常運転時における内容液からの蒸気の発生を抑制することを主たる目的としており、地震時の液面揺動（スロッシング現象）に対する耐震強度を意識して設計されたものではないと言える。本稿では、既報1）に引き続き、簡易フロート型内部浮き蓋の地震による被害事例と耐震強度評価事例について報告する。