自動車づくりを支える部品技術：第2回 軽量化のための技術－プロローグ永遠のテーマである小型·軽量化を果たす部品技術

摘要

樹脂も軽量化には有効な手段であり，1980年代後半から自動車を構成する材料に占める比率が徐々に増えてきた。 86年まではステアリングホイールやインストルメントパネルなどの内装部品が中心だったが，89年にはフードやフェンダーなどのボディ部品，2001年以降には燃料タンクにとその適用範囲が広がっている。これらの軽量化素材を適用するためには製造方法の技術開発も不可欠だ。 たとえば，アルミ合金をサブフレームに適用するためにハイドロフォーミング（高水圧を利用する成形法）などの技術が導入された。また，最近は車体の骨格部品やドアパネルなどに高張力鋼板（一般の鋼板よりも引張り強さを向上させたことで，一般鋼板と同等の強度，剛性を保ちながら部品を薄く，軽量化できる）が大量に使われ始めたが，そのためのプレス成形技術が開発·改良されている。 そのほかにもさまざまな塑性加工技術や樹脂成形技術が開発され，それによって軽量化素材が適用できるのである。 軽量化のための構造では，モジュール化（またはシステム化）が代表例だろう。 インストルメントパネルのように，複数の部品を統合して1つのモジュールにしてしまうことで，部品点数の削減＝軽量化へとつなげられる。 そのほかにも部品の構造を改良することで，部品点数を削減して軽量化へとつなげている。