第3章 高性能·高効率モータの適用例：永久磁石モータの半導体関連機器への応用

摘要

1960年代の油圧サーボ時代に始まった電気サーボは，DCサーボのトランジスタドライブ化，AC化，小型化，高性能化により，工作機械，ロボット，半導体製造装置，電子部品実装機などの機械の高性能化に貢献してきた。 電動駆動は油圧駆動と比較して高効率でクリーン，高精度で操作性が良いことから環境重視の時代に適合していると言える。 AC化は1980年代に始まり増加傾向，DCサーボは減少傾向である。 ACサーボモータには，大容量向きのインダクションモータ(IM)と中小容量向きの高性能な永久磁石を使用した同期モータがあるが，磁石の高性能化などにより大容量においても同期モータが登場し，主流となっている。永久磁石を使用した同期モータ（PMモータ）には磁石配置の違いにより表面磁石モータ（SPMモータ：Surface Permanent Magnet Motor）と埋込磁石モータ（IPMモータ：Interior Permanent Magnet Motor）がある。 また同期モータには，永久磁石を使用しない同期リラクタンスモータもあるが，サーボ性能は劣る。 一般的な同期モータの比較を表1に示す。 永久磁石を用いた同期モータ（PMモータ）は，次のような特徴を持つ。①メンテナンスフリーである；②耐環境性に優れる；③停電時の発電制動が可能；④ブラシがないので高速回転が可能；⑤磁極センサが必要。