だから、機械はおもしろい：第33回 擬石と鉄橋が複合材料に見える

摘要

東京駅の復元工事が2012年10月に完了した。夜に行くと，赤レンガと花崗岩の壁と銅の屋根がライトアップされて美しかった。しかし，そこの説明板を読むと，花崗岩と思いきや，なhと“擬石”であった。つまり，花崗岩の塊でなく，花崗岩の粉と石灰とセメントを混ぜてから，左官がコテで綺麓に形状をつくり，次に塗った表面に水を流して石灰とセメントを洗い流し，花崗岩の粉の凸凹を浮き出させて，石らしく見せたそうである。似たようなものとして擬岩がある。筆者は昔，ディズニーランドの岩山に感動したが，日本では昭和6年に上野動物園のサル山で使われたのが最初だそうである。現代では崩壊した崖の土留めや砂防ダム用に，ガラス繊維や炭素繊維をセメントに混ぜた擬岩までつくられている。