慣性モーメントの設計計算再入門－第10回 7. 等価慣性モーメントの計算法（上）

摘要

機械装置の各部分については，前章に述べた計算方法によって慣性モーメントを求めることができる。 実際の装置類ではこれらの各部分は連動しているのが普通であり，次のステップとして，装置としての慣性モーメントすなわち，駆動軸または運動を制御する軸に関して運動部分全体をまとめた慣性モーメントを求めることが重要になる。 この慣性モーメントを特定軸（モータ軸などの制御軸）換算の等価慣性モーメントという。 各運動部分は一般に回転運動を行っているが，各回転軸の回転速度が異なっているのが通常である。 この場合，ある特定の回転軸に関する装置全体としての慣性モーメントを計算するには，単に個々の物体の慣性モーメントを加えれば求まるものではない。 さらに，運動部分が直線運動を行っている場合もあり，当然ここでもその直線運動体の慣性をどのように設討上で，制御軸に関する慣性モーメントとして取り扱えばよいのかが問題になる。