軸継手：4.事例2 高剛性制振カップリング

摘要

工作機械や半導体製造装置などの生産設備で使用されるカップリングは，その設備に求められる要求事項によりさまざまなタイプのものが存在し使用されている。 位置決め精度を必要とする用途では，ねじり剛性が高い板ばね形のカップリングが主に使用されてきた。その一方で，近年ではサーボモータの速度応答性周波数が上がり，振動が発生しやすい環境になってきており，その対策としてゴムなど振動吸収性を有する弾性体を使用したエラストマ形も使用されている。しかし，エラストマ形は板ばね形と比べてねじり剛性を高くすることができないという課題があり，たとえば切削抵抗が大きい工作機械の送りねじなどの用途には不向きな場合があった。 このように，高ねじり剛性と振動抑制の相反する特性を両立させることは，カップリングメーカーにとって大きな課題の1つである。