ガスタービン耐熱コーティングの技術トレンド（2）－遮熱コーティング（TBC）と耐環境コーティング（EBC）

摘要

次世代ガスタービン用の耐熱材料として注目されているのが，軽量で耐熱性に優れたセラミック基複合材料（CMC）である．現状，発電用ガスタービンの主力はタービン入口温度TITが1300°C級であるが，これは高温部品を構成するNi基超合金の融点に匹敵する温度であり，信頼性の高いTBCと冷却技術なしでは到達できない温度レベルである．しかし，強制冷却はタービン効率，すなわち発電効率の低下を招くため，弱冷却あるいは無冷却で使用可能なCMCのタービン高温部品への適用が，さらなる高効率ガスタービン開発には必須技術である．このような観点から，1990年代にはセラミックスガスタービンの開発がピークに達し，CMC開発が超速の進歩を遂げている．