第34回 複合材料の加工：ガラス纎維強化プラスチック，炭素纎維強化プラスチック，紙入りフェノール樹脂

摘要

以上、6つの工具のうち、K10、2000 r.p.m. を使用して、中速度で切削した場合、最も摩耗が少なく、最適な切削工具が得られた。 おそらく摩耗幅が多い工具ほど仕上面は悪く、少ない工具は仕上面は良好である。 写真169から8種類の工具のノーズの摩耗部と、前逃げ面摩耗幅の大きさを図551(a)(b)に示す。 図(a)の回転数と摩耗率との関係は、工具の種類によって、摩耗はある回転数で減少する工具も存在するが、一般的には回転数が多くなれば摩耗率は増大の一途をたどる。 前者の減少する理由は、カーボンの中にエポキシ樹脂が入っているために特定の回転数（温度）に依存されて、温度上昇による軟化のために切削工具が摩耗しづらくなるものと解せられ、また逆に回転数の増大に従って摩耗率が大きくなるのは、温度上昇による工具の軟化と思われる。 いずれにしても被削材と切削工具の親和性（温度）に関係する。 以上、(a)の工具摩耗の大きさは、写真169と良く一致する。