脳血液量を利用したALS患者のYes／No意思伝達方法の改良－左額と右額の測定による正答率の差の検討

摘要

病気が進行したALS患者が介護者の質問に”Yes/No”で回答する意思伝達装置では，近赤外光で測定の脳血液量を波形表示し，患者の回答波形が”Yes/No”のどちらの群に属するか判定する．すでに製品が出ているが，正答率を向上させる改良を目指し，患者データを解析して知見を積み上げてきた．現在の装置は1プローブであるが，左右どちらの額で測定すべきか，明確な方針はなかった．今回，3名のALS患者に対して，左右両額を同時に測定する実験をした．奇数を数えるタスクにより，1名の被験者が左額に比べて右額の正答率が25％高い結果を示した（1％の水準で有意差あり）．左右額で正答率が異なる患者がいることが分り，今後は両額測定を実現していく．