グローバル社会で受け入れられる安全を実現するための設備設計－「機械安全」·「電気安全」の立場から：第1回 欧米の安全に関する考え方と日本国内の動向

摘要

産業界においては，昭和47年（1972年）に施行された労働安全衛生法によって労働災害は，減少し続けています．しかし1985年ごろから，重大事故が再び増加傾向となっています．このような状況のなかで労働者への現場教育による安全確保だけでなく，機械設備を安全に作りこもという国際的な安全の考え方も必要であることが広く知られるようになり，平成18年（2006年）に労働安全衛生法が改正されました．これにより国際規格に基づいたリスク評価に基づく安全確保の考え方が導入され，機械設備のリスクを評価する「リスクアセスメント」とそのリスクを低減するための方策である「保護方策」は法律上，努力義務となっています．これから6回にわたって，「リスクアセスメント」「保護方策」と「国際的な安全の考え方」の紹介をさせていただきます．