--規模拡大が進むなかで：我が国の畜産経営の現状について--畜産物の生産費でみる

摘要

農水省が取りまとめ公表した平成十五年（十四年四月～十五年三月）における畜産物の生産費をみると、一頭当りの生産費 （副産物額差引）ては、子牛が前年比一、六％増、乳おす育成牛が同八、〇％減、交雑種育成牛が同九、九％減、去勢若齢肥育牛が同〇、九％増、乳用おす肥育牛が同五、二％増、交雑種肥育牛が同一一九、％増、肥育豚が同ニ、一％増となっている。 配合飼料価格の上昇等によりいすれの畜種も飼利費が増加しているが、乳用おす年及び交雑種牛については、もと年導入時期におけるもと年価格によって大きな差異が生じている。 すなわち、育成牛ではもと年価格の低下により大幅に前年を下回ったのに対し、もと牛価格が高かった肥育牛では大幅に前年を上回る結果となった。 なお、牛乳の生産費については、搾乳牛通年換算一頭当りでは前年を一、一％上回ったものの、生乳一〇〇短当りでは前年を一、二％下回っている。