小品五葉松「常識破りの整枝法」と「植え替え否定」

摘要

黒松では春にミドリ芽摘み、夏には芽切りを行い、それぞれ再萌芽を促すことが可能だが、五葉松では一般に夏に芽切りは行わない。そのために追い込み剪定が黒松ほど容易ではなく、枝がとかく間延びしやすくなつてしま、つ。、Jの課題を乗り越えるための画期的な整枝法を実践されているのが、今回紹介する瑞穂苑の横枕氏である。その技法は一見難解な作業のようだが、きわめて理に適つている。まずは具体例を見ていただこうと考え、9月中旬に、実生^年生の実生五菜松素材を持参し、整枝の実際を行つていただいた。そうしたのは、初秋の五葉松の手人れはもう終わってしまっていたからだ。横枕氏は五葉松の枝作りのための.4格的な作業は例年8月中句(旧盆)を過ぎてから行うという。そしてその時期が9月以降にまでずれこhでもけつして構わない。一一番芽が秋のうちに動き出すか、来春までに用意されて動き出すかの違いだけで、その後の管理方法に多少の違いはあるものの、とにかく今年の新梢の葉の処理を的確になつことだという。つまり、剪定には違いないのだが、枝の^定というより、葉(=枝。実際には五葉松の葉の基部は短枝である)の剪定なのである。詳細は，真解説を参照していただきたいが、初秋に葉(=短枝)を剪定(4、体的な動作は葉抜き)することによつて、さらには雑木類の芽摘みと同じく枝先の頂芽を摘み取ることによって追い込み剪定を行っているのだ。しかも、古葉の整理とは違い、残っている昨年葉はけつして抜かず、大切に残.S法なのである。