戸建て住宅の変遷 第⑨回/耐震から制震へ

摘要

歴史上の記録に残る，マグニチュード6以上の大地震の約10％が，世界の陸地面積の約0.25％を占めるに過ぎない日本列島で発生している。この現実をみれば，戸建て住宅への要求性能の第一が，地震で倒壊しない安全性にあることは言を侯（ま）たない。地震には，大別すると「プレート境界型地震」と「直下型地震」がある。日本列島は，四つのプレートの境界（海溝）に位置し，活断層も全国各地に存在する。正に「地震の巣」と言われるほど，世界的にみても危険性の高い地域であり，地震被害がいつ発生しても対応できるような，万全の備えが求められる（第34表および第11,12図参照）。