建築塗装分野における水性塗装の進展と今後の展開

摘要

平成15年にシックハウス対策に基づく建築基準法の改正に始まり，近年では大気汚染防止の観点からVOC（揮発性有機化合物）の規制が強化されるなど，建築仕上塗材分野においても，人と環境に配慮した製品の必要性が高まっている。 ざらに平成9年には地球温暖化防止に関する京都議定書が採択され，平成20年から24年がその対象の年となり，各国がその対策に取り組hでいることも塗料業界に大きな影響を与えている。 このような流れを受け，日本塗料工業会では，環境配慮型塗料をそれぞれの目的に応じて細かく分類し，広く普及に努めていこうとしている（第1表参照）。 当工業会で具体的な指針をいち早く打ち出すことは，各社が独自に判断する表現によるトラブルの防止につながると同時に，消費者への混乱を防ぐという観点から，歓迎すべきことである。