大強度陽子加速器の建設とそのコンクリ一トについて

摘要

J-PARCでは、放射線の遮蔽対策（コンクリートの肉厚化）、施設外への放射化物質漏洩対策（ひび割れ対策）およびメンテナンス時における作業員被ばく線量の低減対策（メンテナンス時の被ばく対策）を講じるため、以下の方策などがありました。 ①マスコン対策（低発熱セメントの使用や打設ブロックのスパンを短くするなど）。 ②ある特定地域の純度の高い（Na、Mg、Alの含有量の少ない）石灰石骨材を使用する。 しかし、②の特定地域は遠方であったため、物流コストが高くなってしまい、決められた予算内では、①と②を両立することばできませhでした。 そこで、KEKと太平洋セメント（株）の共同研究成果である「MgO含有量が10．5％以下となる厳選した石灰石骨材」を採用し、目標である約1／10の低放射化を実現しました。 また、工事現場から最寄りの骨材を採用したことで、材料調達費を低減することができ、その差額分で低熱ボルトランドセメントを採用しました。低熱ポル下ランドセメントの採用は、温度応力解析の結果以上に効果を発揮し、ひび割れが全くとっていいぼど発生しませhでした。 おかげで放射線の遮蔽対策、施設外への放射化物質漏洩対策が可能となり、各工区のJVに課している10年間の止水保証も問題なく満足できる見込みです。 今後は、加速器施設のみならず原子力施設や放射線治療医療施設などへ、次世代の低放射化コンクリート（長半減期の放射性薇種である~(152)Euや~(60)Coなどを極滅したコンクリート）を開発、適用していくことで、今問題となっている「負の遺産（放射性廃棄物）」を軽減できます。 今後の研究開発に期待し、おわりにします。