セメントロータリーキルン焼成帯におけるマグネシア·スピネル質クロムフリーれhがの使用結果

摘要

01年に開発したクロムフリーれhがは，02年2月現在5つのキルンにて初使用されている。 今恒は，その中で最も早く01年7月に焼成帯高温部に使用され,02年1月に解体されたれhがを採取して調査した。今回の使用結果では，開発したクロムフリーれhがはマグクロれhがと同等の耐用を示し，コーティング付着怪も良好で，またコーティング剥離に伴うれhが剥離厚みも薄かった。 れhがの稼動面付近における損傷は，KClを主体とするアルカリ塩の浸透と熟サイクルによってれhがの組織が脆化する機械的な損傷および主たる構成原料であるマグネシアおよびスピネルがセメント成分と高温下で反応する化学的損傷であり，これらの損傷形態は従来のスピネルれhがのそれと同様である。 しかしながら，相接するリングから採取された異なる品種のクロムフリーれhがにおいて，両者の稼動面の損傷形態ヤアルカリ塩の浸透深さに明瞭な差異が現れたことは特徴的であった。これらの差異ほ，両クロムフリーれhがの基本設計の差異，すなわち，開発品のヤング率や熱伝導率を従来品よりも低減させ，マグクロれhがの特性値に近づけたことに関連している可能性が高いと考えているが，今後の別のキルンでの使用結果も調査した上で判断したい。 キルンれhがのオールクロムフリー化のためには，その使用部位などの違いから何種類かのクロムフリーれhがが必要になると考えている。 開発したクロムフリーれhがは，従来品を否定するものではなく，まだクロムフリー化できていない部位のクロムフリー化を進めるための品揃えである。 今後もキルンれhがのオールクロムフリー化に向け尽力する所存である。