Al－Zr－C系化合物の合成とその酸化挙動

摘要

新たな添加剤の構成を模索するために，アルミニウムとジルコニウムの複合炭化物に注目した。この炭化物は自身の酸化後もアルミナあるいはジルコニアへ変質するため，高温での使用環境にも耐えることができる。また化合物の結晶構造中のAl－CおよびZr－C結合は高いエネルギーをもち，機械的な強さが期待される構造材料として望ましい。AトZr－C系化合物の合成はいくつかの報告がある。本報ではアルミニウム，ジルコニウムの各単体をもちい，炭素源に廃木材の樹皮を1000°Cで炭化処理した樹皮（以下，木質炭素と表記する），カーボンブラックおよび鱗状黒鉛から合成を試みた。木質炭素から合成したAl－Zr－C系化合物の酸化挙動を調査した報告はなく，本研究はそのはじめての例である。