ヴァヌアツの地熱資源について-エファテ島とトンゴア島を訪れて-

摘要

ヴァヌアツ共和国（The Republic of Vanuatu）は,ニュカレドニアの北方約500kmフィジーの西方約1，000kmの南太平洋に位置し，多数わ島々からなる島峡国である（第1図）。わが国と同様に環太平洋火山帯の一画を占めており，現在琶活発に活動する火山も多い。豊富な地熱資源の賦存が期待されながら，現在までのところこれらの資源は手つかずのまま残されている。 　 一方，世界的な地球環境問題への関心の高まりの中で，わが国の京都議定書遵守のためのあらゆる可能性を莫剣に追求することが，日本の責務として今後強く求められるものと予想される。 このような中で，温室効果ガス排出削減の可能性，地域の持続的な開発への貢献という視点から，発展途上国と先進国とのプロジェクトにより、発展途上国の持続可能な成長に資すると共に，先進国の温室効果ガス排出数量の目的達成にも使える「クリーン開発メカニズム（CDM）」の重要性が増している。 わが国にとって，豊富な地熱資源を有する発展途上国において，その開発可能性を明らかにし，それを追求することは，このCDMの目的に一致するものと考える。