イタリア中部モンテ·アミアー夕地区の水銀鉱業史概観

摘要

以上，複数の観点からアッパーディア·サン·サルヴァトーレの変化を概観した.近年の町の開発と砿大は西の丘陵地帯と県道沿いに行われており，以前の構造はみえにくくなっているが，それでも開発は，歴史的地区であるアッパーツイアおよび旧市筏の部分と,いまや鉱山博物公園となった旧鉱山操業城の二つの極によって進行している。 また，上述したように，アッパーディア·サン·サルヴァトーレでは都市構造のみならず、文化や歴史的背景にも重層構造があるが二；ノ鉱山の進出という時間的に区切りやすい出来事をはさhでいるため変化が追いやすい。 °k業はその開始から終焉まで地域社会を意識しなければならないと言われるが（たとえばU．N．Department of Technical Co－operation for Deve-opment，and German Foundation for Interna-tional Development,1992を参照），これはここ5－6年の話であり，業界の経験は十分でない。 鉱業の正負両方の面を経験し，しかも資料が比較的よく残っている本事例は，地域社会と鉱山との関係を考察するにあたって好適な題材であり，今後は資源科学に加えて，社会言語学，組織心理学等の観点から研究を進める必要があると思われる。