2004年10月23日新潟県中越地震における液状化現象（速報）

摘要

1）2004年10月26日の新洛県中越地震において長岡市から小千谷市の信濃川及びその支流の氾濫原に広く液状化が発生した。 この地域の信濃川の堆積物は,上流側で砂礫が卓越し，下流部では砂層が分布している。上流部の砂礫層は砂利取りに利用されている。2）液状化に伴う噴砂の分布の特徴は、菱形ないしは馬蹄形の陥没変状に伴う陥没型噴砂と、線状に噴砂が配列し陥没変状を伴わない線状型噴砂とに分けられる。 3）線状型の噴砂は，分布域の下流側に多く，ほとhどは淘汰のよい中粒砂が噴出している。 また列の方向は旧河道と並行またはそれらに規制された形で列をなす。 これらの噴砂の起源は河川性の堆積物の可能性がある。 4）陥没型の液状化は，分布域の上流側に多く見られ，砂のみならず持株や陶器製の埋設管までを伴う事もある。 これらは圃場整備時に砂利を取り、再び埋め戻したことと関連がある。 5）以上のことから，信濃川の上流部の小千谷周辺には砂礫が堆積し，これを採取し,埋め戻した水田では陥没型の液状化が発生した。 一方,下流側では河川性の中粒砂が堆積しており,旧河道の方向に規制されて噴砂が発生した。 今後，同じ旧河道でも液状化を起こしたところと起こさなかったところ，また，どのような地層が液状化を起こしたかについて検討する必要がある。