第5回ハットンシンポジウム：（2）野外巡検記

摘要

地質関係の国際会議では野外巡検を欠かすことは出来ない。通信技術が発達した今日テレビ講演も可能であるが，千変万化の地質現象を理解しようとするとき，現場で"もの"を見て自身が観察し，考察することは益々大切になってきた。 ハットンシンポジウムでは会議の前後に数日以上の巡検と，会議期間の中日に1日巡検を行うことが習慣となっている。 第2回のキャンベラ大会（1991年）では大型バス2台を連ねて，オーストラリア南東部のラクラン摺曲帯のSタイプとIタイプ花崗岩類を見学する一点重点主義がとられた．第3回大会（1995年）はアメリカ合衆国のメリーランドで行われたが，巡検は会議前に小規模なもの一つが組まれたに過ぎず，中日巡検は2コースが用意された。 第4回大会（1999年）はフランスのクレルモン＝フェランで実施されたが，会議前にマッシープセントラルなど2件，会議後にコルシカ島など2件，中日巡検はすぐ西方の第四紀火山岩類で2コースが用意された。