つくば市花室川産ナウマンゾウ臼歯化石の解説と地質標本館における展示

摘要

2002年8月17日，つくば市在住の伊藤光弘氏とそのご家族によって，つくば市と土浦市の境界を流れる花室川にかかる永田橋の上流約50mの河床においてナウマンゾウの臼歯化石が発見された（第1図；写真1）。 その後，地質標本舘に持ち込まれた。 臼歯化石を同定した結果，ほぼ完全な左上顎第三大臼歯であることが判明した。 同化石を計測した結果，その大きさはこれまでに報告されたナウマンゾウ臼歯化石の中でも最大級とみなされた。 また，この発見は多数の新聞や雑誌，テレビのニュースで取り上げられ，地質標本館においても緊急展示を行い一般公開した。 そこで，本報告において，ナウマンゾウおよび発見された臼歯化石について解説し，報道や展示の様子を紹介する。