マグネシウム合金の疲労き裂発生と伝ぱにおける局所ひずみ挙動

摘要

マグネシウム合金は最軽量の構造用金属材料であることから，軽量化が求められている携帯用電子機器およびコンピュータなどのボディ材料を中心に適用されてきている．また，最近の省エネルギー·省資源や排気ガスなどの環境負荷を低減するという社会的要請から，自動車などの移動構造物への適用が盛hに検討され始め，車輪の部品として採用される機会が増えてきている．しかし，このような用途に用いる場合，特に長期間走行時の信頼性，安全性を考慮した設計を行うには，マグネシウム合金の疲労破壊挙動を把握する必要がある．しかしながら，マグネシウム合金の疲労破壊に関する研究は，他の金属材料に比べて少なく，疲労特性データの大部分は1930～1960年代に旧ソ連で導かれたS-N曲線である．本研究では，加工条件の異なる4種類のマグネシウム合金を用いて疲労試験を行い，微小格子法を適用して切欠底およびき裂先端部の局所ひずみ挙動を実時間的に実測して切欠部からのき裂発生およびき裂伝ぱと局所ひずみとの関係を明らかにするとともに，加工条件の違いが疲労特性に及ぼす影響について調べ検討した．