ESPIを適用した経年化原子力プラントの検査－パルスESPIによるRBMを踏まえた広域一括診断

摘要

近年発電プラントの高経年化によるライフタイムでのプラント運転コストを最適化する余寿命評価を前提としたインサイトでの欠陥寸法同定技術が急遽必要とされており，高速デジタル化が容易な光診断技術のひとつであるレーザー診断技術が注目され一部実機での適用も行われた．筆者は原子炉主要機器の現地でのSCC (Stress Corrosion Cracking)と呼ばれる厚板ステンレス鋼板表面欠陥検査を，パルスESPIにより広域一括スクリーニング広域検査した上で，レーザ励起超音波検査（以後レーザーUTと呼ぶ）による欠陥特定部位の欠陥サイジングする二段階の高速非接触検査システムを1990年代末から提案していた．この内，前者のパルスESPIによる厚板表面欠陥検査技術を開発背景や事例，原理の基礎および確証試験結果と併せて紹介解説する．