円孔·き裂を導入した圧縮石膏板のひび割れ発生·進展の可視化に関する研究

摘要

筆者らは，1つの円孔を有する石膏板の一軸圧縮試験を実施し，その実験手法と計測手法の有効性を確認するとともに，シミュレーション解析を実施し，破壊パターンが実験と解析結果で合致することを検証した．本研究では，均一性の高い脆性材料である石膏を用いて，直径の異なる有孔板，配置角が異なる1本の人工き裂を有する長方形板，および種々の配置タイプの2本の人工き裂を有する長方形板の圧縮試験を行い，円孔および人工き裂がひび割れの発生と進展に及ぼす影響について検討した．なお，目視では観察困難な微小変位や微細なひび割れ進展に伴う試験体表面のひずみ分布状態を捉えるため，計測には非接触かつ全視野計測が可能な光学的計測法の一つであるデジタル画像相関法を用いた．また，石膏におけるひび割れの発生·進展は急速であるため，高速度カメラを用いて計測を行った．